香川菊池寛賞は、郷土が生んだ文壇の大御所・菊池寛を顕彰するため、毎年、香川県在住又は香川県出身の方から文学作品を募集し、優秀な作品に贈呈しています。今年は、過去最多となる69篇の応募作品の中から、瀬戸千歳様の「しなやかな右手」を、また、奨励賞には高島緑様の「青い季節風」をそれぞれ選出し、本日、贈呈式を行いました。なお、高島緑様は、昨年度に続き二度目の奨励賞の受賞となりました。 香川菊池寛賞の「しなやかな右手」は、うつ病という、現代的で重く難しいテーマを作者の若い感性で描いた作品です。うつ病になった姉とその家族、そして主人公である弟の心情を繊細な描写で短編にまとめあげられており、文書構成の巧みさなどが高く評価されました。また、奨励賞の「青い季節風」は、昭和40年代後半の大阪を舞台に、乳児院で働く主人公が、周囲の人々との交流を通じて仕事にやりがいを見出していく物語でございまして、御自身の体験をうまく反映された作品となっています。
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