昨年は、本市が明治23年に全国で40番目の市として市制を施行してから130周年となる節目の年でありました。改めまして、先人の業績に感謝し、その遺産をしっかりと受け継ぐとともに、風光明媚な自然に恵まれ、かつ、利便性の高い都市機能を備えた我が高松を、更に発展させ、将来に引き継いでいかなければならないと決意を新たにしたところです。 さて、世界的な流行となっている新型コロナウイルス感染症は、残念ながら、年が代わっても収束の兆しが見えておりません。安全、有効なワクチンの認証と、十分な供給が待たれるところではありますが、ある程度の期間、いわゆるウィズコロナの時代が続くことを覚悟しなければならないものと存じます。そのため、引き続き、感染拡大の防止と社会経済活動の維持との両立を図りながら、「新しい生活様式」を踏まえたまちづくりに取り組むことが、何よりも重要であると考えております コロナ禍により、マスク着用やソーシャルディスタンスの確保、「3密」の回避、テレワークの急速な普及や若者の地方志向の増強など、人々の生活様式や働き方に対する考え方は大きく変化しております。こうした傾向も捉えた上で、第3期まちづくり戦略計画に掲げる「地域共生社会の構築」、「コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくり」、「スマートシティの推進」の3つの分野を中心として、「デジタル化」をキーワードにあらゆる分野でICTの活用を図りながら、効果的に施策を展開して参りたいと存じます。 また、「ゼロカーボンシティの取組」も鋭意行って参りまいりたいと存じます。2018年に出された国連の気候変動に関する政府間パネル(IPPⅭ)1.5℃特別報告書によると、産業革命からの気温上昇を2℃よりリスクの低い1.5℃に抑えるためには、2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロとすることが必要であるとされています。このような中、本市におきましても、昨年12月3日の定例記者会見において「ゼロカーボンシティ」を宣言いたしました。ゼロカーボンシティが目指す脱炭素社会の構築は、非常に困難な課題ではありますが、地球規模で取り組まなければならない問題であり、我々地方自治体も他人事ではありません。災害が比較的少なく、暮らしやすいこの高松を、未来を担う次世代に確実に引き継いでいくため、市民や事業者の皆様と共に、総力を挙げて取り組んでまいりたいと存じます。 このほかにも、今年は、スーパーシティ構想の国への提案や、2021ジャパンパラ陸上競技大会、オリンピック・パラリンピックの関連事業、さらには高松第一高等学校の校舎棟の完成など、重要な施策・事業などが予定されております。 コロナ禍により、世界規模でこれまでの既成概念が崩れようとしています。そのような今だからこそ、改めて「独創指向」、「未来指向」、「世界指向」の3つの指向を大切にしながら目標を見定め、干支の牛にならって一歩一歩、着実に前進していく年としたいと存じます。そして、アフターコロナの新しい時代において、市民の皆様に「高松に住んでよかった」と思っていただけるようなまちづくりを進めて参りたいと思います。 令和3年、2021年が高松市にとりまして、また、皆様がたにとりましても、良い年となりますことを心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。
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